<< 2011年2月県議会での代表質問の主な内容 >>

 (はじめに)
 今議会は任期最後の定例議会であります。その議政演壇に登らせていただいたこと光栄に存じます。新創NARAの仲間の議員の配慮に深謝します。
 さてこの4年間、私と荒井知事とは、しぶい対面もありましたが、荒井知事の深い心情で、種々ご配慮いただきましたこと先ずは感謝申し上げておきます。
 荒井県政、とりわけ平城遷都1300年祭の成功へのご尽力は、この4年間の集大成として高く評価いたしております。

 また関西広域連合にかかわっての参加見合わせは、適切なる好判断だったと賛意を評します。なお奈良県立医科大学の大学附属病院の現在地を中心とする一体的強化充実。救命救急医療・医療先端技術高度化のための体制構築の積極化に強く期待し願求するものであります。引き続いての荒井知事の知事立候補への意欲を歓迎し、私の支援関係団体および会員に呼び掛け、荒井知事の再選支持を奨励します。
 併せ、私も同志・仲間と共に県政にご奉公できることを祈願しているところでございます。
 さて引き続き、荒井県政が続くことを確信してお尋ねや要望を申し上げます。

@ 関西広域連合に関して

 昨日来の代表質問でも取り上げられていますが、3年前、私が県議会議長にあった際、関西広域連合の提起のあったことを想い起こしています。先ずは近隣府県連携ではなくて広域連合だという組織と業務において、設立意義が希薄で機能のない仕組みは、屋上屋を重ねるもので、無用な展開だと返答いたしました。そして近畿議長会においても、奈良県議会としても勉強することにやぶさかではないが、広域連合議会なるものも設置されるとあるが、各府県議会との間での権限の調整などの複雑な課題が残り、かつ経費の無駄や、奈良県は大阪、兵庫、京都に埋れてしまうおそれありと、参加には乗気ではないことを主張いたしました。

 荒井知事におかれましても県議会で随時、見解を述べられ、余計な経費と時間の浪費、責任の不明確さを懸念されてこられました。広域連合の初年度予算が公表されましたが、年間4億7380万円もの経費がかかると聞き及んでいます。これは余計なコスト高経費の見本を示すようなものであります。

 国の機関である地方支分部局の廃止方針にかかわる事務の受け皿のために関西広域連合を設置するという言い方もされているようであるが、広域連合でなければ受け皿になり得ないと言うなら、全国の他の地方ブロックでは受けられないということであり、これとても国の定かな事務内容と税財源根拠が不透明な状況の下では参加は如何なものかと案ずる次第です。

 定まらぬ道州制への過程でもない関西広域連合づくり、何がポイントなのか。当初は各府県それぞれに広域防災や観光・文化振興 にポイントがおかれていました。しかしこれにしても近隣府県提携行政で充分です。ドクターヘリにしても、今後とも、広域連合との連携で運航が可能であると大阪府知事も言明されています。その他に何が急がれますか。参加府県知事の同床異夢の中の広域連合の効果は何なのでしょうか。いま大阪都構想をめぐる大阪の府と市の首長バトルは大阪都妄想論だという反論を呼び、熾烈さに加えてマスコミに煽られての大阪府知事の有頂天なはしゃぎは、かえって広域連合にかげりを見せています。政令都市4市の参加意向に対し、橋下大阪府知事の嘲笑の如き受け入れ発言に隠された意図を見ます。行き着くところは関西復権ではなく大阪戦争への巻き添えという破綻の道ということでしょう。地方主権、奈良の主権が損なわれます。近隣府県との個別課題ごとの連携を今後とも強調し、経験を重ねることに今日的意義があると考えます。知事と私の思考とに開きがないと思いますが如何でしょうか。

A 一括交付金について


 国が使い道を決めて地方に配る、いわゆる「ひも付き補助金」の一部を、地域が自由に活用できる一括交付金に切り替えていくという政府・民主党の大方針のもと、新年度予算において、部分的にではありますが、一括交付金の制度がスタートしようとしています。

 私は、この制度がどのような形になるのか、非常に高い関心を持って注目してきました。一体いくらの額が地方に配られるのか、その配り方はどうするのか、むしろ奈良県などは従前よりも減額になるのではないか、といった心配があります。
 なぜなら、本県の社会基盤、特に道路整備は一定の改善が見られるものの、まだまだ遅れている状況です。例えば、県北部の平野部では慢性的な渋滞が発生しています。また、南部山間部では公共交通機関が不充分で、道路に大きく依存していますが、地域をつなぐ唯一の道路、いわゆる「命の道」でさえ、すれ違いの困難な箇所が数多く残されている現状です。
 特にB/C(費用対効果)問題で道路予算大幅削減が唱えられた時、私は奈良県事情を知ってのことかと憤怒、当時、議長として馬淵衆議院議員に抗議したことを想い起こしています。

 私は、特に県南部地域の厳しい状況を憂い、昨年の11月19日に、「南部振興議員連盟」会長として、幹事長の国中議員とともに、道路整備予算の確保について、国土交通大臣はじめ県選出国会議員の方々に要請活動を行ってきました。
 この要請書の中で、「一括交付金の検討にあたっては、地域間格差が置き去りにされないよう、人口や面積などの一律の基準で機械的に配分するのではなく、改良率などの道路整備状況の遅れを反映し、事業量や事業のピークに対応できるよう配慮して欲しい」、つまり財源のある都会には都合がいいが、財政難の田舎には都合が悪い、田舎切り捨ての政策になりかねない、と訴えてきました。

 また、時を同じくして、全国都道府県議会議長会からも同様の提言が出されており、いかに多くの地域で、まさに同じ悩みを抱えているかが浮き彫りになっています。
 今国会に提出された政府予算案では、一括交付金については、地域自主戦略交付金として総額5120億円が計上されました。国土交通省からは3760億円、農林水産省からは1090億円などと、全国で9つの事業から切り出されて集められたそうです。

 しかし、未だ制度の詳細が判明していないとのことで、全体の9割は継続事業の事業量を考慮して配る、残り1割は客観的指標によって配るとの説明が国からあったようですが、その算定方法はまだ明らかにされていません。また、交付金の対象も従来の補助事業の範囲内での選択ということであります。
 これでは、南部振興議員連盟の私たちは、本県の道路整備費について、どの程度確保できるのか気を揉まざるを得ません、まことに心もとない状態であります。
 現に、議長会を始め多くの団体から、「未だにその内容が明らかになっておらず、極めて遺憾。早急に同交付金の具体的な配分基準や対象事業の詳細な範囲等を明確にするよう」緊急要請等が出されている状況です。

 これで、本当に「地方が自由に活用できる」交付金になるのか、私は疑問を感じております。
 そこで、知事はこの一括交付金制度について、現段階でどのような感想をお持ちか、所見をお伺いしておきます。

B ポスト平城遷都1300年祭と文化観光について


 平城遷都1300年祭は、奈良県全域に広げての通年イベントとして開催され、全国各地からの主会場への御来奈363万人余、そのほか県全域会場も大勢(1700万人)の往来があり、成功裡のもと閉幕いたしました。先ずはスタッフ陣のご尽力奮闘、ご苦労様でした。協力団体、出演者の皆さまにも感謝とご慰労を申し上げます。
催事は当初企画よりコンパクト化されましたが、多彩な企画はお見事でした。当初は、財源は如何か、資金調達は進んでいるのか、心配するだけの人もありましたが、黙々、至難を超える努力が重ねられた甲斐が実りました。終ってみれば、その成果を讃え喜んでいる人が大勢であります。私もその一人であります。

 国際会議の開催と平城宮跡の国営公園指定の政府閣議における承認、大極殿完成、天皇・皇后両陛下をはじめ国内外の大勢の賓客を迎えての盛大なる式典、あるいは記念マラソン大会に1万人余の参加者がありました。且つ「せんとくん」の人気にあやかり、平城遷都1300年事業協会が2010年の「関西元気文化圏賞」の大賞を受賞。また「せんとくん」を主役に、引き立て役の「マントくん」「ナームくん」の働きも評価すべしでありましょう。「かぐや姫」「蓮花ちゃん」「ひなこちゃん」などキャラクター人形のブームも起こし嬉しいことです。
 私も東京における全国都道府県議会議長会において「せんとくん」を同伴し、平城遷都1300年祭をアピール、お招き解説を長々と行ったことを思い出しています。あらためて平城遷都1300年祭イベントに、あらゆる分野でご協力、ご尽力された方々、皆さまに深謝する次第であります。
 わが国の律令国家の始まり、その奈良の歴史、文化を彩る平城遷都1300年祭の次なるポスト事業の構想を広げるために要望する次第であります。1300年昔、その当時を想起させるものに御所市吉祥草寺を生誕地とされる役小角(えんのおづぬ)(役行者)があります。また明日香(飛鳥)など国のまほろば、大和の古代史に興味が深まることに期待を持ちたいものであります。

 いまわが御所市域にあっては京奈和自動車道建設にともなう文化財発掘調査が進められ、貴重な文物が多数出土し、いまにして新しい歴史の発見に注目が集まっています。なおまた白洲正子女史著「かくれ里」(1971年、新潮社より単行本として発刊、1991年、講談社より文庫本として第1刷発行、現在、第42刷発行)のエッセイが再燃、話題を賑わせています。「この地こそ日本の始祖です」という内容が懐古を込めて語られています。この地、御所の葛城周辺は、荘厳な古代史を物語る文化遺産が豊富であります。南郷遺跡群・極楽寺ヒビキ遺跡、巨勢山・宮山古墳、條・池之内の秋津遺跡、水泥、森脇等々の古墳群。また神仙、尊厳を漂わせる修験者の命脈、いまも息づく役小角(役行者)の吉祥草寺、高天彦神社と雄略天皇合祀の一言主神社、生薬の始祖・少彦名命と鴨都波神社、王城院と神武天皇社等々、繰り広げられてきた古代歴史のロマンであります。継承されている「まつり」には先祖・歴史への感謝が込められています。

 本居宣長の「菅笠日記」の一節には、「橿原京 在柏原村」と記され、「橿原神宮」は白橿と呼ばれた地であり、本来は御所市柏原にこそゆかりありと「橿原」と「柏原」の遷都をめぐる所在の選定をめぐる秘話をも記されています。白洲正子女史は、地元の先輩・元県議会議員で文化人でもあった故西口紋太郎氏と共に葛城の山なみ、寺社を歩き訪ねて史実に確信したとも記されています。

 古事記、日本書紀をよみがえらせること、葛城王朝など大和路の深い深い歴史探訪に広く多くの人々をお誘いする環境づくりと、生き生きした郷土の再構築のための文化歴史館など観光往来の諸施策を求める次第であります。知事の考えを伺います。

C 南部振興と御所市振興について


 南部振興議員連盟からの南部活性、振興施策の要望に応えて荒井知事は、「南部を元気にする構想」の具現化に向けて、「南部振興監」の設置を進めていただいていますこと、大変ありがたく存じています。

 
  @南部振興議員連盟は毎年11月初旬、知事をはじめ全部・局長を同伴のもと、私ども議連と管内5市13町村の市町村長、議長、農林商業、観光協会、薬業の団体代表を交えての南部振興懇談会を開催し、県政方針をお聞きすることと、南部からの多様な要望を提起させていただいております。これら要望への対応をよろしくお願い申し上げ、折角設置を頂くアクションセンターとしての「南部振興監」をはじめとする南部振興推進組織をどのように駆使され、南部の活性化の効果を生み出そうとする考えなのかについてお伺いします


 Aきょうは、とりわけ私の出身地・御所市にかかわる課題ポイントを述べ要望いたします。ご案内のとおり、御所市は財政窮乏であります。これが主たる原因を同和対策にあるかの如く誤解されている向きがあること甚だ残念であります。基本的には国の三位一体改革にその原因と責任ありと追及し、克服策を求め続けねばなりませんが、何はともあれ財政再建は急務であります。県におかれましてはいち早く、御所市の事情をお汲み取りいただき、早速の多大かつ多面的な財政支援を頂戴したこと深謝申し上げ、引き続いてのご支援をよろしくお願いいたします。

 B次に地域格差の問題です。御所市は、過疎法等の範疇・地域ではないが、実態は過疎化現象であり、同様の施策を加味されたいものであります。市民の皆さまも、それぞれムラ、街の伝統的文化などを掘り起こし盛り上げ、ムラ興し、街興しに真剣であります。市民共通の声として人びとを招き、訪れて頂くためには鉄道玄関口の印象は大切であると焦眉の関心事になっています。御所、玉手、掖上、吉野口の駅前、とりわけ御所の玄関でありますJR御所駅と近鉄御所駅前周辺の開発整備は根幹的な問題であります。「御所市第4次総合整備計画」(第5次計画立案中)や「奈良県都市計画マスタープラン」において、生活拠点として計画がなされていますが、一向に進んでいません。原因は何なのか。格別のご支援、援助を願うとともに、活性化元気のためには、産業振興と就業の場の確保。安全・安心・快適な生活のための社会基盤の整備。地域の魅力資源を活用した観光・交流・定住の促進という知事の未来構想にかなう対策・施策の具体化を願求する次第であります。

 Cいま述べたとおり、御所市の振興・活性化のためには様々な課題があろうかと思います。これらの願いとともに、いま進めて頂いている京奈和自動車道・御所インターチェンジ周辺の産業集積地の工場等誘致の積極的かつ強力に引き続き展開をお願い申し上げます。また、御所東高校跡地の活用と各地の県内高校廃校跡の活用についての基本方針は如何ですか。民間への譲渡は如何なものでしょうか、あわせてお伺いします。

D 「奈良のくすり」の製造、並びに販売の振興について


 昨年、NHKにおいてもドキュメンタリーとして取り上げられ話題となっている「無縁社会」は、今日の重要な社会的テーマであります。核家族化、少子高齢化の進行によって、人と人とのつながりが希薄化し、誰に看取られることもなく、亡き骸の引き取り手もない「無縁死」の実態であります。「無縁死」あるいは「無縁化」は、決して「個」の問題ではなく放置できない重大な「社会問題」であること。児童虐待の急増や「消えた高齢者」の問題など、いずれも人と人、人と地域社会との「絆」の崩壊が要因であり、どのようにすれば「絆」の再構築ができるのかであります。
 2030年には一人暮らしの世帯が4割に達するとも言われています。このような時代だからこそ、「先用後利」を旨とし、限界集落といわれる「へき地」、あるいは都会といえども「辺地的環境」にある家々などをも訪ね、人と人とのつながり、「絆」を大切にしてきた医薬品配置販売業の果たす役割はますます重要になってきていると考えます。

 一昨年、46年ぶりに薬事法が改正されました。依然として景況厳しく、県内の薬業界を取り巻く環境は厳しさを増しています。配置販売業においては、お得意先の減少、販売員の高齢化にともなう後継者問題への対応など喫緊の課題が山積しています。
 業界にあっては改正薬事法に対応すべく、配置販売員の資質の向上への取り組みや配置販売業の魅力を大いにPRし、業界全体の活性化につなげるための様々な自助努力を頂いております。
 この厳しい状況を打開するためには、配置販売業はもとより、販売する医薬品を供給する製薬企業への支援も必要であることから、毎年、南部振興議員連盟として中南和発展の観点から薬業振興全般にわたる支援について要望を行ってきたところです。
 まず、製薬企業の発展には、製品開発が不可欠となりますが、度重なる薬事法改正により、審査の要件も高度化している状況の中、製薬企業においては「人材、開発力、技術力や情報収集力」等が不足していることから、県として薬事研究センターを軸とした技術支援体制等のより一層の強化が必要と考えます。

 また、先ほど申しましたように、「奈良のくすり」は古くから配置販売として発展してきた経緯がありますが、配置員の高齢化や後継者不足により配置販売の売上が減少する中、製薬までもが苦戦を強いられている状況にあります。
配置薬の利用者は減少傾向にあるとはいえ、今も多くの国民が利用されていることから、未来につながる配置薬の製造・販売、並びに更なる販路拡大に向け強力に支援していく必要があると考えます。
 さらに、この伝統ある奈良の薬業の発展には、「奈良のくすり」を広く情報発信する機会を強力に創出していく必要があると考えます。そこで、薬業界全般にわたる活性化事業や支援事業への更なる取り組みについて、知事の所見を伺いたい。

E 在宅医療について


 荒井知事が目指している県政の大きな柱の一つに安心して健やかに暮らせる健康長寿県構想があります。住みなれた地域で安心して健やかに生活できるまちづくりの実現に向けて、目標を掲げていることは大いに賛同するものです。
 ただ、この目標を実現していくためには、多くの課題を乗り越えていかなければならないと考えます。多くの県民は、病気にかかってもできる限り住み慣れた地域・家庭においてその家族とともに生活し、通常の社会生活を送ることを希望しています。

 在宅医療の目的は、このような患者の希望を実現するため、主として患者宅における適切な医療提供を通じて、可能な限り患者の精神的・肉体的な自立を支援し、患者とその家族のQOL(生活の質)の向上を図ることにあるといえます。
 本県における65歳以上の高齢者の人口割合は、現在では約5人に一人であるのが、20年後には約3人に一人になります。私たちが病気で入院しても、ある程度回復すると退院となりますが、高齢者はもともと回復力が低下しており、近年、核家族化、高齢者世帯の増加など、家族の介護力の低下により、病院での療養期間が長期化しております。

 このような中で、在宅に医師が往診をし、また24時間何かあれば電話で相談に応じてもらえる「在宅療養支援診療所」として大和高田市に「あすかクリニック」という診療所が開設されると聞いております。このような診療所の開設は、これまで、在宅における医療に十分に対応できず、社会的入院が問題となっていたことを考えると、大変画期的なことだと思います。私は、超高齢化社会を迎えるに当たり、高齢者が自宅で安心して暮らしていくためには、在宅での療養に対する支援が重要と考えております。

 また、在宅医療に携わる関係者は患者自身も含めて多数・多岐にわたっており、患者を中心とした関係者の密接かつ自覚的な連携による効率的なシステムの構築が、在宅医療推進の重要な鍵になると考えております。
 現在、県においては、医療と介護・福祉が連携したケアシステムを構築するためのモデル事業に取り組んでいると聞いています。このような取り組みを県や市町村が後押しをし、県内に広まっていくようになれば、安心して生活できる「まち」ができ、知事の構想も実のあるものになると考えます。

 そこで知事にお伺いします。高齢者の在宅医療を推進していくためには、これらに行政や医療・福祉関係者、地域の住民がどのように取り組んでいく必要があるのかお伺いします。

F 福祉対策について


 厚生労働省が発表した「2009年度福祉行政報告例結果の概況」によると、2009年度の被保護世帯数が127万4231世帯となり、児童相談所の児童虐待対応数も4万4211件で、ともに過去最多でした。被保護世帯の世帯類型では56万世帯(全体の44%)が高齢者ですが、景気の低迷により現役世代の受給者も増加しています。また、警察庁が昨年一年間の全国の自殺者数を発表しましたが、3万1560人と1998年以来、13年連続の3万人超となり、動機別では「健康問題」に続いて、「経済・生活問題」が大幅に増加しています。この3万1560人という3万2000人に近い数字は、一年間に孤独死された人の数とも一致しています。現在の我が国の社会を無縁社会、格差社会と言われていますが、自殺者や孤独死といった悲劇を生まない社会のありようを真剣に議論し、早急に新たなセーフティーネットを構築していかねばなりません。

 昨年から、本人の力だけでは自立することが難しい求職者の状況やニーズに合わせて、制度横断的に支援する「パーソナル・サポート・サービス」のモデル事業が全国で始まりました。パーソナル・サポーターと呼ばれる専門家が生活上の問題を抱える当事者一人ひとりに合わせ、「個別的」「継続的」「包括的」な支援をめざすもので、政府としてはモデル事業の評価を経て、2012年度からの制度化が検討されています。しかし、こんな「個別的」「継続的」「包括的」な支援を行うためには、まずは支援が必要な人を地域で発見するところから始めねばなりません。

 現在、民生委員さんや地域によっては福祉委員と呼ばれる人たちがこうした任務を背負って活動されていますが、問題の発生しそうな家庭を頻繁に訪問して現状を把握するのがなかなか難しいのが現状です。ここでお伺いしますが、問題の発生しそうな家庭を把握し、頻繁に家庭を訪問して必要な支援へとつなげていくためには、新たな支え合いの仕組みを地域から築いていくことが必要だと考えますが、県としての方策はいかがでしょうか。
 また、「パーソナル・サポート・サービス」を県内のすべての市町村で実効あるものとして機能させていくためには、先進的な取り組みをされている自治体での活動を検証し、事業実施に先駆けてモデル的な取り組みを実施することが必要だと考えますがご所見をお伺いします。

 

 

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