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水平私考SUIHEISHIKOU

正志の『水平私考』 2014年11月号

日本人3名がノーベル物理学賞受賞!高輝度青色LED開発の赤崎勇教授、天野浩教授と、独力で大量生産技術をなしとげ、実用化に成功した中村修二教授。3氏の喜びの声が届いた。なかでも中村氏(アメリカ国籍)が頻繁に口にした「不条理」「怒り」の言葉が耳に残った。  ▼日本国民がノーベル平和賞受賞なるかと注目の「憲法9条」は見送られたが、9条への関心を国内外に伝える意義は大。平和賞は、児童労働や人身売買から8万人以上の子ども達を救ったインドの社会活動家カイラシュ・サトヤルティ(60歳)氏と、パキスタンの人権運動家マララ・ユスフザイ(17女性)さんが受賞。世界中の子供たちが放置され、困窮している問題への関心、イスラーム女性の権利や教育環境整備など、二人の受賞は子供たちに夢や希望を膨らませた。カイラシュ氏は10年前、二十人余りの少女を救出する際に、暴力団の襲撃を受け負傷。マララさんも2年前、武装集団に銃撃され重傷を負う。共に、命の危険を顧みず、活動し続けられる源に不条理や怒りの言葉が浮かぶ。 ▼人類に役立てばと開発したノーベルのダイナマイトも、いつしか戦争の道具になった。その怒りがノーベル賞の原点。 来年は終戦70年。戦死者230万人、原爆・被弾など逃げ惑う市民の巻き添え死、負傷者は数百万人、数えきれぬ。親愛なる人が犠牲、やりきれない思いに伏せた国民は多大何十倍も。 築き上げてきたすべてを消し去る悲劇を、傷つけ傷付けられた日本が人類に伝えるべし。「集団的自衛権」の解釈発動。後方支援、緊急事態のくくり方、中身が心配だ!平和と非武装の意義を損ねてはならぬ。基本的人権が侵されないか危惧。 ▼傷つけられ傷付けたアインシュタイン(ノーベル物理学受賞)。取り戻せない思いを誰よりも知る彼は、過去から学び、今日のために生き、未来に対し希望をもつ、大切なことは何の疑問を持たない状態に陥らないことであると悟る。生まれた国や地域、性別や時代で未来が決まる不条理を許してはダメ! 怒りは不幸にも幸福にも変わる。

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