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水平私考SUIHEISHIKOU

正志の『水平私考』 2015年8月号

東京都麻布市の住宅街に、調布飛行場を離陸した小型飛行機が直後に墜落し8人が死傷、住民巻き添えの災難。35年前にも、今回の現場近くの中学校に小型プロペラ機が墜落し乗員2名が死亡。学校が休みだったから子供らは惨事から免れた。▼30年前の8月12日、524名を乗せた日本航空123便のボーイング747型機が羽田を離陸し、伊丹空港へ向かう離陸12分後、垂直尾翼が破損し機体は操縦不能となり、群馬県の御巣鷹の尾根に墜落、520人の尊い命が失われた。私もよく羽田―伊丹間の飛行機を利用、747型機にも搭乗していたであろう。たとえ30年が過ぎようとも忘れることのできない国内最悪の飛行機事故である。 平和や安全は、尊い犠牲のうえにある。それは、二度と繰り返したくない悲劇だから。繰り返さない為にも忘れないこと語り継ぐこと。教えがあれば、体験や経験が無くとも自然と危険を回避できる。何事も他人事ではない。 ▼今、平和と安全を柱に国会では安保法制に関わる論議が参院で行われている。衆院では「違憲」であるとの声が多い中、野党の反対を押し切り強行採決。論議の舞台は参院へ。その参議院特別委員会で安倍総理の、戦争を火事の消化活動にたとえ話が、「火事騒ぎどころか人の生死に関わるに止まらぬ大問題」だと総理の例えに批難の声。たとえ話は、分かり易く理解してもらう時に用いるものだが、「安全保障関連法案」は性質の異なる11法を1束にしているからややこしい。ちなみに、カレーでたとえれば、「じゃがいも・人参・たまねぎ・トマト・果物・豚肉・牛肉・チキン」添え物に、「福神漬とらっきょう」これで10法の具材が揃う。だが、どうしてもアメリカからの注文ハバネロ(激辛スパイス=集団的自衛権の行使)の1法を加えなければならない。1束(カレーのルー)に混ぜるから大丈夫と思っていたが、あまりの辛さで食べられない。それが今の「安保」状況だ。▼アメリカの歴史は戦争の歴史。この「ハバネロ入りの激辛カレー」を口にするのは、総理でも自民・公明党の国会議員でもない自衛隊員です。自・公の皆さんも詭弁の行く先は戦争ですよ。心機一転させ、勇気をもって10法を1束にする安保法案を廃案にすべし。 世界史も日本史も平和思考へ、人間の尊厳へ導こう!

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