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水平私考SUIHEISHIKOU

正志の『水平私考』 2016年5月号

熊本県で震度7(2回)の大地震。九州地方では観測史上最大。4月14日の夜に震度7の揺れを観測、その後も6や5の揺れが続いた。誰もが余震を警戒するなか、本震と思い込んでいた14日の地震よりもさらに大きな地震が16日未明、再び熊本を襲った。不意打ち現象に解明できない地震の恐ろしさを知る。隣県の大分や鹿児島、少し離れた高知県を震源とする地震も起きた。地面の傷は深い地底の傷でもあろう。地震発生から寸断なく続く余震は今日現在、1000回以上を観測、現地は止まぬ余震に不安と疲労が重なる。今後、余震はなだらかに収束して行くのか、ヒズミが何処かへズレながら移動し、新たな断層を刺激するのか?過去の大地震とは少し違った現象だとの報道に心配と不安が続く。 ▼生きて行く上で「避けて通れない道」という言葉をよく耳にします。受験や就職、病気や怪我など、税や年金も避けて通れない道のひとつ。なお、日本で暮らすには地震や台風も避けて通れない道である。奈良県には、世界最大級の断層系中央構造線が四国から和歌山へつながり、金剛山地東縁の香芝を結ぶルートと、活発なA級活断層が五条~宇陀郡の県南部を横断し東海へのびている。県の中部北部には奈良盆地活断層帯も縦断。南海トラフ巨大地震が発生すれば奈良県にも甚大な被害を及ぼすとの予測もなされている。いつ起きるのかはわからないが、いずれは起きるのです。震度7を観測した「阪神淡路大震災・新潟県中越地震・東日本大震災・熊本地震」の被災から学ぶべき事は多種多面、数え知れず。▼ことわざに「天災は忘れた頃にやってくる」とある。記憶が新しい今こそ、注意すべき箇所をよく見定めておく事が肝心。家やブロック塀の耐震、橋や堤防、落下物や山崩れなど、住まう地域の特長も認識しておかなければなりません。スワッ!避難の行き場も考慮です。▼薩摩軍の攻撃を跳ね返した熊本城の石垣(武者返し)には加藤清正公の知恵と工夫が重ねられていたと伝え聞く。激震に耐えた熊本城なれども傷は深い。九州新幹線の橋桁も、橋脚せん断破壊を跳ね返し、見事な守りだった。我々も地震からの攻撃に立ち向かえられる強固な身構えをつけたい。一にも二にも命を守る被災防御へ、皆で意識を高め合いましょう。

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