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水平私考SUIHEISHIKOU

正志の『水平私考』 2016年7月号

「アメリカが咳をすると日本は風邪を引く」、相場では「ウォール街がクシャミをすれば、ロンドンは風邪を引く」という言葉もある。しかし今、「イギリスが風邪をこじらせると、アメリカと日本も熱にうなされる」そんな事態が起きた。イギリスが欧州連合(EU)に残留するか離脱するかを問う「国民投票」が行われ、国民は離脱を選択。産業や金融、安全保障にも大きな痛手になると言われた中での結果だ。EUや政府への憤懣が重なるかのように、その矛先は移民者にも向かった。憎悪が膨らみ、50年前のような大規模な争いが再び起きないようにと願う。共存共栄から、自国優先、移民排斥の流れは、平和構築が崩れそうで心配。政府不信が増大すれば、先進国とて、一夜にして状況が一変する。▼日本でも昨年7月、「集団的自衛権の行使」は憲法改正が必要な事項だから、その是非は「国民投票」で問うべきだとの大きな声が上がった。しかし、自公政権は3分の2の国会議員を盾に、無理な違憲の勝手解釈で、強引に押し通した。先月は、舛添都知事を辞めさす方法として、住民投票も話題になった。介護に子育て、社会保障の充実など立派な公約も選挙に当選するためだけの「ウソ」だった。 ▼今、参院選も中盤戦を迎えている。だが、選挙争点はバラバラ。耳ざわりよい公約に心を奪われそうだが、違憲解釈いっぱいの反動政治にストップをかけよう。平和世界のトリデ憲法9条を守る憲法の論議を争点にすべし。今次参院選は政治の根幹を立て直す分水嶺の重大事。数さえ揃えばなんでもありはダメ。世論の声に「耳」をあて、人の「心」に寄り添わない政治は独りよがりで「恥」かしい。恥を知らない政治ほど『怖い』ことこの上なし。投票率100%に近づけば「国民が咳をすると永田町が風邪を引く」そんな言葉も生まれる。歴史を変える一票は大切だ!

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