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水平私考SUIHEISHIKOU

正志の『水平私考』 2017年5月号

1959年(昭和34年)、「こどもの読書週間」(5月1日~14日)が誕生した。2001年(平成13年)、「子どもの読書活動推進法」が公布・施行され、爾来4月23日(世界本の日・子ども読書の日)~5月12日に変更。子ども達の読書の春は真最中。 ▼私も年に数回書店へ立ち寄る。そこで「いい質問が人を動かす」という本に関心。書き出しは、「なぜ、いま質問する力が求められていると思いますか?」で始まった。唐突に質問されると、皆さん何を考えますか?「なぜ求められているのだろう?」と考えさせられますよね? 実は、何かを考えさせられてしまうことこそが質問の力。 たとえ「え? 何だって? 言っている意味がわからないけど?」となっても、質問は、「相手を強制的に特定の方向で考えさせる」であった。 ▼先月、自主避難者(福島県内)の住宅支援が3月末で打ち切られた問題で、今村復興大臣が男性記者の突っ込んだ質問に激高し、記者会見を途中退席するハプニング。会見で大臣は「一番身近にいる福島県が中心になってやっていく方が良い」「自主避難者の住宅支援打ち切りが気に入らないなら裁判でも何でもやればいい」「自己責任」という見解を記者の質問から引き出された。この発言に世論の批判が集中、その後も「東北の方で良かった」と心無い言葉を発して辞任。「惻隠之心」は忘れちゃならん。▼目に見えない放射能の恐怖。見えるのは増えるばかりの汚染水貯水タンクに、以前の活気が失われた街。生計維持の不安など心配は尽きない。人間が手を染めてはいけない分野だと、福島第一原子力発電所の事故で国民は学んだ。ところが国家も司法も再稼動の流れだ。コントロールできない放射能漏れ、事故後の対処や汚染水の完璧な処理も確立されていないのに、安全基準を満たしているとはどう言うことですか?と子ども達からも質問されそうだ。「学びは一生」。真実を明らかにする勇気ある質問力をお互いに持ちたい。

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