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水平私考SUIHEISHIKOU

正志の『水平私考』 2018年6月号

2014年、日本創成会議が「2040年に消滅する可能性がある」(全国896市区町村)と指摘した問題。当初の予想以上に全国713(約8割)の過疎地域自治体で人口減が加速するとの分析発表。最も大きいのは奈良県上北山村、次いで宮城県女川町、奈良県黒滝村、下市町の順。女川町は東日本大震災の影響。実状、上位3位が奈良県南部地域だ。奈良県は人口の偏りが極端。人口割合は北部地域の2/3に対し、中南部地域は1/3。とくに南部・東部は過疎、北部は過密の構図。私は前々から、奈良県地図は北を上辺ではなく下辺に置き、下辺の十津川、吉野・宇陀、御杖を上辺に置き換えて眺め、発想の転換を常態化すべし、と持論を展開してきた。北部も中南部も共に均衡ある発展を望む気持ちからである▼3月23日、奈良県議会で「橿原市周辺への県庁移転」を求める決議案を私が中心で提案。賛成多数で可決。活気・元気を願い、飛鳥・藤原京へ還都のロマンを求めた本能的な発想のもとでの、県庁移転案の提起である。決議案は、岡史朗議員(公明党)と山本進章議員(創生奈良)の賛成発議を経て、賛成多数の決議と成った。県議会南部振興議員連盟(川口正志会長、12議員)と中南部地域の議員を中心に、日本維新の会の理解を得た。定数44(欠員1)のうち23人が賛成(※奈良市、生駒市選挙区議員の大半と共産党の不賛成)。橿原市周辺への移転は、人の動きに変化をもたらし、中南部の人口減少を食い止め、安定した中心的原動力(県庁)を生む。▼移転に必要な議席数は、定数の2/3(30議席)、と実現へのハードルは高い。関係市町村・議会と連動し、県民の声を上げてくれることで、気運が高まりテンポも速くなる。序章から2ページ、3ページと開いていくようにせねばならない。いわば、『都のふるさと還り』だと捉え、古(いにしえ)にロマンを求め、明日のロマンを追い続ける。決議は1ページ目を開いたばかりだが、前へ動くと信じ、これ以上、北と南の格差を広げないためにも、県庁移転を実現させねばならない。少子高齢化は全国規模だが、過疎地への影響とテンポは早くて大きい。先手先手の対処と叫びが肝心。何事もあきらめたら、衰退の一途をたどる。

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