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水平私考SUIHEISHIKOU

正志の『水平私考』 2018年9月号

台風20号が接近した8月23日、「避難準備・高齢者等避難情報」が明日香村に発令とのメールが届く。私は隣の橿原市におり、外を眺めたが雨風の様相はない。主観的だが昔は雨量が一定量を超えてからの発令、大雨警報が出るころには雨も小降りになっていた。今は気象解析度も上がり、人的被害を未然に防止。「客観的確率」から素早く警鐘を鳴らしている。空振りを恐れず続けよう▼確率と言えば四字熟語に「九分九厘」がある。十分のうちの数字だから完璧に近い、が残り「一厘」の出来事は以外と多い。5日連続の台風発生もあった。被災防止に万全を祈りたい▼スポーツでは、高校野球第100回記念大会で秋田県勢が第1回大会以来の決勝進出。国民も地元県民も驚いた。しかし、県立金足農業の選手たちは勝ち進み優勝の可能性に「一厘を倍増」させ自信を持って試合に臨んでいたに違いない。また、史上初2回目の連覇を果たした大阪桐蔭も昨年、九分九厘(9回2アウト)の勝利から一転、一厘(ベースを踏み忘れ)のミスで敗れている。今年は一厘の重要性を知る王者に隙はなく完璧だった▼感動の出来事は山口県でも。3日間行方不明になっていた2歳の男の子が、山中で78歳のボランティアの男性に救助された。生存の可能性を考え、発見時用に水と飴を用意。ありがとう!▼一方、いただけないのは、富田林警察署で接見室から逮捕者が逃走。まさかと言ったところだろうが、常に逃げ出す機会を狙っていたのだろう▼物を見る角度や考え方、九分九厘から見た場合と、一厘から見た場合では大きく変わる。来週は台風21号が日本列島を襲う恐れあり。災害も含め事故や怪我、文武も然り、九分九厘大丈夫の確率よりも、一厘の可能性を考えたい。さすれば、物事に取り組む姿勢や考え方にも大きな違いが生ずる。「一厘も十分」の内である侮るなかれ。

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