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水平私考SUIHEISHIKOU

正志の『水平私考』 2018年11月号

佐藤薬品スタジアムで行われるダイドードリンコ杯少年野球大会のファイナルステージ(ベスト8順位決定含む)・決勝戦を毎年、バックネット裏から観戦する。今年で16回目。近頃は、奈良市や橿原市のように人口の多い地域が勝ち進む割合が高い。当然、集まる選手数とチーム数に差があるからだ。その中で今年は牧野ジュニアーズ(五條市)が12年ぶり2度目の優勝を果たした▼現在、読売巨人軍の主砲、岡本 和真 選手は第5回大会(116チームが参加)にカインド(五條市)で出場し準優勝(小5)。当時の五條市は8チームあったが今は2チーム。昨年、ドラフト会議で読売巨人軍から1位指名を受けた鍬原 拓也 投手も第5回大会にホワイトイーグルス(御所市)で出場し優勝(小6)。ふたりは決勝戦で戦っている。私の住まう御所市も当時は9チームあったが同じく2チーム▼6年生中心のチームや、3年生が加わってやっと試合ができるチーム、女の子が主軸のチームもある。野球のルールは公平だが、学年の体格差や部員数を考えると、決して条件的に平等ではない。それでも、子どもたちは〝日本一の地方大会〟で試合ができる喜びに満ちている。また、必ずしも6年生チームが勝つとも限らない。3年生が加わっているチームが負けるとも言えない。パワーを補う小技(知恵)にセンス、状況を読み取りチームワークで守り勝つ場合も少なくない▼野球というスポーツではあるが、将来、社会に役立つことが多い。体力づくりは勿論だが、ランナーコーチ、ベンチでの掛け声といった仲間のサポート役。カバーリングも含め、取りやすい送球、集中力、状況判断、与えられたポジションで動き回る子どもたちには、友情や思いやり、コミュニケーション能力もうまれる。また、喜びや悔しさから、技術向上へむけて努力する姿勢も対戦相手から吸収できる。地域の人たち、他学年・他校生、未来の野球仲間とのつながりも生まれる。家族の協力を感じるスタンドからの声援には、絆や感謝が芽生える。子どもに与える影響は大きい▼きょう11月1日は、奈良県教育の日(7日まで教育週間)。一人では体験できぬすばらしい集合の学びである。子どもたちの健やかな成長、想い出づくりにご尽力の奈良県軟式野球連盟・学童審判部、各チームの学童審判員、運営・準備に携わる実行委員スタッフ皆さまの温かい善意に感謝!感謝!!

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