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水平私考SUIHEISHIKOU

正志の『水平私考』2020年4月号

「魚は鯛」の言葉を用いたのか、辻元清美議員が衆議院予算委員会(2/12日)で「桜を見る会」や森友、加計学園問題など政権不祥事に触れた際「タイは頭から腐る。社会、国、企業など上層部が腐敗していると残りも腐っていく、頭を代えるしかない。」と安部総理を批判。その後「意味のない質問だ」と総理がヤジ。審議がストップし悶着▼確かに、魚の王様といえば大半の人が鯛と答える。漁業の神とされる恵比寿天(七福神の中で唯一日本の神様)は、釣竿と鯛を持った姿で描かれる商売繁盛の神様。めでたい時には鯛が付き物。ただ、鰹のタタキや、鍋のように調理方法や食べ方、季節でも王様は変わる。「西のフグ・東のアンコウ」と呼ばれる鍋界の横綱は、〆の雑炊まで旨い▼鯛にフグ、鮟鱇(あんこう)の本場は総理のお膝元、下関港が有名。フグの白子、鮟鱇の肝は絶品。そのフグと鮟鱇のシーズンも終わるが、終わらせてならぬことも多々。ここ数年、国会は総理の個人的問題から政権を巻き込んだ不祥事が大半。けれども肝心の肝(フグの猛毒)に触れられず、真実(あん肝)は野党の網が届かない深海へ潜った▼先日、森友事件に巻き込まれ命を絶った近畿財務局職員の妻が、手記や遺書を公表し、国と元国税庁長官を提訴。かつてない政権不祥事も、世の関心は新型コロナか。感染拡大防止に人の往来を規制、「官民」個人も自粛に自重。イベントごとは中止、オリパラ延期、株価大暴落など経済と暮らしは大打撃。私も本来なら昨夜は南京市からの帰国日▼私の日程も中止に延期が相次いだ。今年は水平社創立者、西光萬吉翁の没50年忌(3月20日)。生誕の地、旧掖上村柏原の故あり「正志」の名付け親。ゴットファザー翁の終の棲家、和歌山県紀の川市井坂から「西光万吉先生没後50年記念集会(偲ぶ会)」の講演で想い出を語る講師として招かれていたが延期の連絡あり。忍びない想い・・。▼一昨々日は翁生誕の西光寺前にて、地元の柏原北方6団体主催の桜まつりも中止に。花見の中止は、桜を見る会だけに留まらず全国規模へ。けれども人権のふるさと公園の御衣黄(黄みどり色の花を咲かす桜)は、春来ると言わんばかりに咲く。一刻も早く平穏な日常が訪れ、喜びの鯛が世界中に出回りますよう、恵比寿天様の釣竿に大漁祈願。

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