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水平私考SUIHEISHIKOU

正志の『水平私考』2020年5月号

「先立たぬ 悔いの八千度 悲しきは 流るる水のかへり来ぬなり。」古今和歌集(平安時代初期920年頃)哀傷歌の一首。当時の貴族、藤原忠房が昔親しくしていた女性の死を悼み、詠まれた歌である。現代なら「後悔先に立たず」「流水源に返らず」か。何千回も悔やむほど、先だったその人の為に、もっと何かしてあげられなかったのか?あるいは、私のせいで女性の命を縮めてしまったのか?と考えられるほどの後悔が浮かぶ▼いま、身近で大切な人の命を奪う疫病(新型コロナ)が世界的大流行(パンデミック)となった。感染した途端に被害者から加害者に変わる病。現在(4月末)世界の感染者数は3百万人、死者20万人を超える。国内でも感染者が1万4千人に達し、死者400人。この恐怖と疲弊の中、処置に立ち向かう医療従事者の方々の奮闘に感服。解決策の糸口は、感謝のエールをも含め、各々が出来る限り人との接触を避けることに尽きる▼世界の惨状を見れば、遅かれ早かれ日本も映し鏡。特措法による、初の緊急事態宣言が全国に発令され、暮らしへの影響と経済の落ち込みは計り知れない、が命には代えられない。ソーシャルディスタンス(社会的距離)人との距離、約2mを取るよう警鐘が鳴らされている、が保育・幼稚園、医療・介護、障がい者施設など、人との接触を避けて通れない職業もある。従事する方々は、互いの感染リスクを恐れながらも働いている▼未曽有の状況下、今まさに大切なあらゆることに気付かされている。少子化社会対策基本法、子ども・子育て支援法、高齢社会対策基本法、障害者総合支援法など改正も含め、国が講じた環境整備措置。ところが、大変な責任と体を酷使して、現場で働く保育士、幼稚園教諭、介護士、皆さんの待遇はどうなのか?専門職でありながら、給与は安いベスト3である。心ある国策を求める次第▼1機約百億円のステルス戦闘機「F35」140機体、イージスアショア2基6千億円、維持管理費に年間約4兆円。環境破壊・地盤に問題の辺野古埋め立て(沖縄県民反対)費も1兆円を超える状況だ。軍事費はムダ使いが過ぎる。また、国会議員の歳費も、時代にそぐわない諸手当(その他財産的給付)に疑問多し。世界各国と比べればどれも破格、共感できない。佳き明日へ世論喚起、政治経済すべてに関心をもとう。各々続けてきた自粛を無駄にせず、後悔なき行動を!

 

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