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水平私考SUIHEISHIKOU

正志の『水平私考』2020 6月号

■正志の『水平私考』

奈良県は12の市が存在、その中で二つの市長選挙(5月17日告示、24日投票)が行われた。御所市は東川 裕氏が無投票で4期目の当選。香芝市では現市長の吉田氏と前市議会議長の福岡氏が立候補し大激戦の末、福岡憲宏氏が初当選した。その頃、宇陀市では高見市長が2度目の不信任可決により失職。選挙は6月21日告示、28日投票にて執行。短期間で3市が選挙。コロナ感染対策を考えての選挙は想像以上に大変だ▼宇陀市議会は3月に1度目の市長不信任決議。これを受け高見市長が議会を解散。市議選(5月3日投票日)となった。改選後も反市長派が定数の3分の2以上を占めた。この市議選では定数14に対して22人が立候補。当落が決まる14番目に2人の候補が同数(596票)で並び、くじ引きで当選者を決めた。昨年4月、神奈川県相模原市議選でも同様のケースがあった。一票の重み判然。投票権の行使は大きな影響を与える▼政治は、執行・行政権を持つ人物でガラリと変わる。コロナ禍、不可解な点を露呈した通称「アベノマスク」に続きドサクサ?検察庁法改正案(国家公務員と検察官幹部定年延長を組み込む ※内閣承認で、総長・幹部3年延長可)。疑惑多く、反対世論は増幅。元検事総長ら幹部14人、元特捜検事有志38人も反対意見書。三権分立を崩す法案は廃止だと大合唱!ヤリ玉の当人、黒川検事長が自粛最中に賭けマージャン。禍根を残す▼これまで数の力を背景に、反対の声を物ともせず、都合の良い総理の解釈で強引に法案を成立させた与党に、待ったを掛けた国民。一人の女性のつぶやき「#検察庁法改正案に抗議します」がSNS上で拡散。類以抗議を含めると一千万件とも言う。小さな兆しも大きなうねりも、元は一人一人の集合体。政治への関心が投票のうねりとなれば、揺るがない民意と成る。私の1票なんて、と「投げ遣り」は怠惰と成る。ポジティブに!▼GW自粛時、ある小説が再ブレイクとのニュース。水平社博物館にもお見え下さった作家、五木寛之さんの「大河の一滴」だ。読んで字の如し大河も一滴の雫(命)から。著書の中で、老子の弟子が人生の真実について問う場面、老子は自ら口を開けてユーモラスに『歯亡びて舌存す』意味の仕草を弟子に見せ『剛強なものは滅びやすく、柔軟なものは残る』と。政治も然り、信任を受けたと言って、民意から掛け離れ、私意を貫きすぎると未来が狭くなる。多様な反対意見にこそ広がる未来へのヒントが隠されている。

 

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