MENU

水平私考SUIHEISHIKOU

正志の『水平私考』2020年7月号

エコ活動の一環として、レジ袋の有料化が始まった。便利なポリエチレン製品もポイ捨てされると厄介物。昨年の7月、奈良公園で3月から6月にかけて死亡した14頭の鹿うち9頭の胃の中に、固まったビニール袋が見つかる。ポリ袋とみられる4・3キロもの異物が出てきた鹿もいた、と鹿愛護会が公表。確かにポリ製品は軽くて丈夫で実用的。ただ、川に流れるとそのまま海へ。ポイ捨ては道徳心の欠如。環境にも動物にも悪▼また、コロナごみと呼ばれるマスクのポイ捨てが日本も含め世界中で目立ち始めた。入手困難から価格が高騰した不織布(ふしょくふ)マスクが海に漂うと、完全に分解されるまで400年以上もかかるらしい。最近は繰り返し洗えるマスクの着用率が増えている、が1世帯2枚配布の通称「アベノマスク」を付けている人は見かけない。配られた数の何%が使用されたのでしょう。徳島県内では未だ届いていない世帯ありとの報道▼6月24日、朝日新聞に漫画家の『やく みつる』氏が書いた挿絵が掲載されていた。絵は数ヶ所の綻び(ほころび)があるマスクを付けた安部総理の似顔絵。マスクの中央には『任命責任を痛感』と書かれており、下段の解説に『在任中、繰り返し洗って使えます』アベオワビマスクの文言」。ただ、1世帯に2枚の配布なので、大切に使用されている感じも伝わっている。この挿絵に、あきれながらも国民からの失笑が漏れてくる▼私は6月定例県議会で、浦西敦史県議(吉野郡選出)から頂戴した『吉野ひのきマスク』を付け議場に入った。パッケージには、吉野の本物の色艶香りをお届けします。と中央に書かれ、右上に奈良の木をPR。左下にカビの抑制などの桧効果と、破れた際はこの桧シールで補修してくださいの説明書き。地域活性化と奈良の木の魅力を発信。付ければリラックス効果と純粋な心意気が伝わる。土に循環する素材は環境にも優しい!

 

 

■正志の『コロナ禍に想う』(現在)

本来なら東京オリンピック開幕(7月24日スポーツの日)を目指し聖火ランナーは全国を駆け巡り平和祭典を国民挙げて盛り上げていた頃である。新型コロナウイルスの発生は世界中を恐怖に落とし入れ、社会・経済の全ての停滞・休止を余儀なくさせた。想えば1964年の東京オリンピックとパラリンピックは同年開催となり、パラリンピックの二部構成にて第一部を国際ストークマンデビル大会(22ヵ国参加)、第二部を日本人選手だけの身体障害者の国内大会として開催された。戦傷者のリハビリから始まった国際ストークマンデビル大会の呼称は開催地の病院名(イギリスのストークマンデビル病院)であり、第1回パラリンピックは1960年にローマ開催とされ第9回国際ストークマンデビル大会とも呼ばれた。東京は第2回パラリンピックであり、日本における障害者の活力あるスポーツと人権文化の歴史メモリアルである▼当時、日本は高度経済成長期。「夢の超特急」東京⇔大阪間の新幹線の開通。高速道路など交通網のインフラ整備。鉄筋コンクリートの巨大建築ラッシュ。カラーテレビ・エアコンなどの家電普及など景況は溢れていた。あれから56年。科学技術の進化。生活文化の急激な様変わり。理化学研究所の新型スーパーコンピュータ(以下スパコン)の「富岳」が9年ぶりの先代理研開発「京」以来の性能ランキング世界一に輝いた。計算速度だけでなく人工知能(AI)、模擬実験(シミュレーションなどの実用的計算)、ビッグデータの解析の性能などスパコン大国の米国や中国を寄せつけずの4冠に輝いた。「国民の関心の高い社会課題」防災や医療、ものづくりなどの9つの分野でのソフトウェアに最高の性能が出せるように設計し、スマートフォンのアプリも動かせる幅広い用途に対応できるという。本格稼働は来年度予定だが新型コロナウイルスの研究と試験利用は前倒しで始める。治療薬の作用メカニズムを現実に近い高精度で予測できるとの朗報。

 

■正志の『コロナ禍に想う』(未来)

その理研と筑波大学のプロジェクトがマウス実験で「薬で冬眠」の開発を進め、人間の火星旅行の夢物語、宇宙船での長旅期間を冬眠で過ごせば食糧や酸素の節約、疲れも癒し至福とやら~~~。ちなみに51年前、アポロ11号の月面着陸に成功には102時間(4日と6時間)を要した。火星までは月の200倍以上の距離があるそうだ。人生100才時代。人間もロボットに? クローンに期待? とんでもない事だ。夢の現実化に全人類の幸福創造を願う。されど、秋田県・山口県のイージスアショアはミサイル迎撃の国防基地という。発砲ブースターの落下に危険が起こるとしての断念。撤退は当然の反省措置であるが、なお安倍内閣の日米安保体制・アメリカの軍事戦略の先兵を担う執念は強い。アメリカ追随の沖縄基地問題・朝鮮半島情勢も連動する。これらの誤りと非は責められねばならない。香港での一国二制度をめぐる「高度な自治」の危機。アメリカの黒人差別への怒りのデモ。世界の平和、国々の統治、リーダーシップの情勢判断による展開次第が結果となる。権力への民の心眼は『みんな幸福になろう』の常態である。高い理想を求める科学技術は現世の改良改革を進める。その理想を権力者たちは支配の武力に使う。ヒトの「脳」は未だ改良なき旧型である。未成熟品と揶揄されぬよう国のリーダーである政治家たちは早く反省改革の入力をすべし▼1922年「人間の尊厳」を叫んで水平社は創立された。2030年に向かってSDGS『誰一人取り残さない』持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現の取り組みに向けて17ゴール169ターゲットを掲げての国連主唱。日本政府は「経済・社会・環境」の三側面から統括的に取り組む方向と捉えている。グローバルパートナーシップによる現実化へ水平社魂。「人権が軸」なる延長路線にガッチリ継承されることを願求する次第である。

 

戻る