MENU

水平私考SUIHEISHIKOU

正志の『水平思考』2020年9月号

■正志の『水平私考』

風物詩の花火大会は中止、夏祭りもお盆も静かに過ぎた。大雨の長続きが終わったと思いきや厳しく続く残暑。コロナ禍と熱中症の重層災禍です。収束の見えぬコロナ感染への防疫自粛は続けよう。ステイホーム・社会と経済の不安ストレスは積もるばかり。忍耐の生活は皆さんと共々です。一刻も速やかなワクチン開発を祈念して止みません。▼夜はテレビとお付き合いが増えました。スポーツ芸能の再放送に新鮮なし。ニュースも暗い。そんな中、前作好評ドラマ第2弾「半沢直樹」の「倍返し」は日曜日の夜を待たせる程に視聴率が高いという。ドラマの視聴率10%を超えればヒット作と言われる時代。「半沢直樹」に24%以上の視聴率。好評の根拠は今日の政治・経済・社会の不満と不安のウップンが期せずしてドラマは惹きつけていると思われる。保身と出世、功利と利権などをめぐる葛藤・相剋のせめぎ合い。政界・財界の裏舞台も顔を出す大きな交錯争闘のスリル感に吾が身を「主人公」にリンクさせているのでしょう。脚本は知識・経験の高次元であり、凝縮テンポの速さに「倍返し」魂が大変たくましい—私も勇気・元気を頂戴している気分です。▼ところで、「安倍首相の辞任」のニュースが飛び込んできました。私はマイノリティのスタンスをもつ側ですが「お疲れさま、先ずは健康回復に努めて下さい。」と癒しの心を送る次第です。国会は常に「国民生活の幸福を創造する殿堂」であり、且つ「政権争奪に絡む常在戦場」です。国民の生活・経済は多種多様で複雑です。その代表者・国会議員のスタンスも多彩です。政党派内にも不一致あり、超党派ながら一致ありです。政治・政策は全て賛否の伴うものです。多数決のみでの強行政治は「負の遺産」を多大に残します。異論の中に「真髄」「正義」が含んでいることを承知することです。▼「歴代最長期政権」を支えた礎とは、官僚機構を内閣人事局に集中させ、官僚が政治家に従属させる構図にして人事で官僚を掌握し、森友学園に見る「忖度や文書改ざん」等の「官僚しめつけ」「隠ぺい政治」によって構築したからです。矛盾と理不尽を蠢く世の中に、この様な政権構造になお固まる怖い国となります。「改ざん」の犠牲者、自死した赤木俊夫さんの裁判が始まり、裁判陳述書の全文も紹介されています。「敢えて公正判決を宜しくお願いします」という言葉をしっかり受け止めましょう。国権三分立(立法権・行政権・司法権)の信用・信頼が揺らいでいることへの忠告といえましょう。▼「半沢直樹」は過去と現実を風刺しています。私たち視聴者への贈りものストレス克服剤です。努力の甲斐を実らす励ましのドラマ、ありがとう。定番時代劇ドラマはチョンマゲ和装のファッションなれど人情味豊かな庶民文化です。現在社会に継承し続けたい要素ありです。コロナ防疫に注意怠りなく、健康を守って下さい—。

戻る