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水平私考SUIHEISHIKOU

正志の『水平思考』2020年10月号

苦労人という言葉を耳にされた方も多い。身を持って重ねてきた経験の忍耐力から、優しくて思いやりもあり、困った時には助言も含め、頼りになる人物をイメージ。先月、第99代内閣総理大臣に就任された菅 義偉(すが よしひで)新総理もその一人と私は思う。雪深い秋田で育ち、高校卒業後は上京して町工場に勤めた後、大学進学。民間企業に就職後も紆余曲折、政治家を志され現在の晴れ姿▼第1次安倍内閣では、総務大臣兼内閣府特命担当大臣(地方分権改革)、郵政民営化担当され、第2次では、一貫しての官房長官。新型コロナ(パンデミック)、オリンピック・パラリンピックの延期、思いも寄らない事態の最中、突然の総理交代劇。アベノミクスの金融緩和による、量的緩和政策からの国債額は膨大。コロナ対策財政支出も重なり、厳しい船出である▼一方、立憲と国民両党も、合流を巡り国民所属の12人が合流に不参加。一枚岩とはいかず厳しい船出。菅 首相就任初の所信表明が行われる臨時国会が今月23日又は26日に招集される。初の本格論戦に注目も、解散に踏み切るかどうか首相の判断に関心が集まる。新政権ご祝儀人気もあり、内閣支持率の高い内に総選挙も想定。「国民のために働く新内閣」とは言え、未来に残された負の遺産いっぱいの安倍内閣継承である。コロナ対策を含め、経済も生活も成果を上げることに期待する▼現在、私は与党でも野党でもない御所市民党(無所属)。30年前、社会党から出馬していた頃、党のスローガンは「流した汗が報われる政治」だった。現在のコロナ禍は倒産や廃業、店舗・事業縮小によるリストラなど、汗を流す場所をも奪った。失業率は戦後最悪を更新し続けるとの予測あり。緊急事態宣言が発令され約半年、地方の真剣な感染対策は収束も早く抑えられるように感じた▼ウイルスと言う脅威を体験した我々にとって、この新型コロナが終わりではなく、新たな悪いウイルスに再び脅かされると考えておくべきだ。場所や時間にとらわれないテレワークやリモートワークを活かし、東京一極集中の格差を早く是正し、土地や生産資源が豊富な地方の人材に、汗を流す活躍の場所が増えていくよう願いたい。地方の苦労(生産性)が報われれば、日本経済全体の底上げにも繋がる。苦労を肌で感じてきた地方出身の菅新総理に政治スタンスの違いを越えて期待を寄せる。

 

 

 

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