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水平私考SUIHEISHIKOU

正志の『水平私考』2021年7月

Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター、BLMと略する)。昨年、アメリカ全土に広がった人種差別抗議運動。日本でもこの言葉を耳にされた方は少なくない。警察によるアフリカ系アメリカ人に対しての残虐行為が後を絶たない米国。とりわけ、昨年・今年と分断の文字をよく見聞きした。BLMの訳し方は、黒人の「命は大事だ・命も大事だ・命だって大事だ・命を粗末にするな・命を尊重しろ」と様々あるようです▼他には、All Lives Matter(人種に関わらず、すべての命が大切)のスローガンもある。正しくその通りです。ただ、黒人の命という文字を前面に出されているのは「命・人権」を長きに渡り、軽んじ続けられてきた歴史への我慢が、限界を超えたと言える。プロテニスプレイヤーの大坂なおみ選手も、昨年の全米オープンでは、警察による人種差別的犠牲者の異なる名前入りマスクを付けて、毎試合挑んだ抗議の姿は記憶に新しい▼その大坂選手(日本)がテニスの4大大会(全米・全豪・全仏・ウインブルドン)で初優勝したのは、2018年全米オープン女子シングルス。決勝戦の対戦相手は大坂選手の憧れの人、セリーナ・ウィリアムズ(アメリカ)選手だった。大半は地元選手の優勝を期待。試合後、会場から優勝セレモニーが告げられるとブーイングとも取れる声。耐え忍びサンバイザーを目深に被った大坂選手にセリーナ選手が駆け寄り抱き寄せた▼そのセリーナ選手が先日、今月開催される東京五輪出場に選考されても辞退する旨の会見が報道され、東京五輪に家族の同伴が認められない事も理由に含まれているが・・。新型コロナウイルス感染症も人々を分断する厄介な悪。五輪選手入国後の感染発症や水際の検査体制にも参加国によって不公平が生じているなど、課題多き苦渋の開催となる▼超一流選手達が競い合う世界的スポーツの祭典。応援する国、選手、競技、一所懸命な姿、関心は人それぞれ。選手はメダルに執着?ただ、国がメダルの数だけを競うのは如何か。応援する側もメダルのみにとらわれ過ぎると、スポーツの醍醐味、魅力、意義深さは半減します。「物は見る方向で変わり、感じ方や考え方も変わる」▼奈良県では今日から「差別をなくす強調月間(7月)」。スポーツも国々の国技、多用な種目がある。歴史と文化的環境や人種、DNAなど、価値観にも違いがあるのは当たり前。評価の押し付け御法度なり。大切なのはフェアーな感覚を養い、知性を磨き共通点を探るべし。「平和の祭典」が「コロナ禍災」感染拡大とならぬよう各々がやるべき協力は徹底したお家「観戦」。それならば「感染」対策にも繋がろう。

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