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水平私考SUIHEISHIKOU

正志の『水平私考』2021年9月

五感で気づく四季。夏の風物詩、蝉(セミ)の鳴き声もめっきりと聞かなくなった。季節の移ろいは夏から秋へ。これら風物詩をも奪う厄介なコロナ禍に、苦渋の煽りを受けているひとつが伝統文化「まつり」。祭りとは神や仏を祀り、供物や行為等が奉げられる儀式を指す。祈願には「豊穣・豊漁」「商売繁盛」「無病息災」「天災や飢饉」「疫病退散」など様々。祈願成就のお礼や感謝を表わす形として古来より受け継がれています▼日本には世界に誇れる祭りが幾つもあり、準備には地域の人達が協力し合い、自ずと交流も深まり「喜び・不安・活力」等を分かち合う。大規模な祭りは観光の大イベントとなり、経済効果をもたらす。ところが長引くコロナ禍の影響により、昨年、今年と開催見送りが相次ぐ。私も見物で訪れたことのある毎年9月1日から3日にかけて行われている。富山県を代表する「越中おわら風の盆(富山市八尾町)」も例に漏れず中止だ▼3日間で約25万人が訪れ、賑わいをみせる風の盆は北陸に秋の訪れを告げてきた。起源は江戸時代(約300年前)とされ「町流し・輪踊り・舞台踊り」に三味線や太鼓、尺八などの鳴り物も多種。街並みにも風情があり、洗礼された「勇壮な男踊り・優雅な女踊り」哀調のある旋律と音色が加わり観光客を魅了。時代と共に優美に進化。名称や由来は、暴風による農作物の被害を吹かせる悪風を鎮風(風鎮祭)させる諸説など紛々▼台風は夏の終わりと秋の訪れを知らせる一つでもある。10年前の平成23年(2011年 8月30日から9月5日)台風第12号による豪雨で、紀伊半島(和歌山・奈良・三重)では大規模な土砂災害が多数発生。多くの尊い人命が犠牲となる大災害を被った。犠牲者は十津川村で4人、7人が行方不明。天川村では1人の方が死亡、五條市大塔町宇井では8人の人命が奪われ、3人が行方不明。懸命な捜索も行方不明者発見に至らず ▼明々後日(9月4日)、痛ましい大水害から十年を迎え、大塔町宇井では犠牲者のご冥福を祈り、行方不明者発見を祈願し、甚大災害を忘れることなく、災害に強い紀伊半島づくりを誓う追悼式が執り行われ南部議連の会長として参列します。今日から防災週間(9月1日~7日)。当たり前の日常、生命と祖先への感謝、身を守る意識向上は重要。政治(政/まつりごと)によるハード面対策の必要性と減災へは「自助・共助・公助」の連携、絆を生む意思疎通は日常的に肝心。足並み、呼吸の乱れぬ絆。とりわけ、南部振興議員の連盟の弔意は深い。

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