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水平私考SUIHEISHIKOU

正志の『水平私考』6月

会議の最中、パチン、パチンと窓を叩く音。5月25日、突然、雹(ひょう)が降り出した。群馬県では5月に猛暑日。暦(こよみ)の上では初夏だが、地球温暖化の影響は日本を亜熱帯化した?その暦には年中行事や十二支、六曜、記念日が記されている。今日6月1日の記念日は『気象記念日(気象庁)・景観の日(国土交通省・農林水産省・環境省)・電波の日(総務省)』など数多し。がけ崩れ防災週間(1~7日)でもある

▼気象予報は年々、適中率の精度が上がり、「降水の有無」は近畿地方で的中率84%、春は87%と9割に近い。気象庁は『気象(天候)』『地象(地震・火山)』『水象(洪水・波浪・津波・高潮など)』を観測し予測。迅速に自然災害から身を護り、被害を最小限に防ぐため、国は「防災・減災が主流となる社会の実現(国土強靭化)」への取り組みを強化。自治体とのソフト面(地域コミュニティやハザードマップ)連携も重要となる▼私は先月、2011年に記録的な大雨となった台風12号(紀伊半島大水害)により、大規模な深層崩壊が起きた五條市大塔町清水地区の再発防止のための対策工事が完成した現地と、現在も対策工事が行われている同市赤谷地区の3号砂防えん堤の復旧工事現場を視察。また、昨年7月に起きた静岡県熱海市伊豆山で発生した違法な盛土により土石流が発生した現場へも行った。国は「宅地造成等規制法」の施行を来年夏に目指す▼災害には暴風や洪水、地震や落雷が原因の「自然災害」と人為的原因の「労働災害」がある。加え、自然現象の影響を伴うリスクを知った上の人為的要素が含まれた「人災」もある。先月、知床半島で乗客乗員26人を乗せた観光船が沈没。14人が死亡、未だ12人が行方不明。無線機の故障や海域に合わない船、傷の未修復?など、熱海土石流災害にも言える「安全無視の利益優先主義者」が招いた「起こるべくして起きた」事件▼観光船は今日、陸揚げされ乗客家族に公開される予定。事故原因の解明に期待。思わぬ災害に巻き込まれる可能性は誰にでもある。これから季節は梅雨入りを迎え、台風上陸の時期が来る。浸水区域、土砂災害区域、住まう環境によって起こり得る最悪を想定し、災害リスクを減らすために備えるべきは何かを改めて考えねばならない。今までは大丈夫だった、だから大丈夫だろう、と思い込む事が我が身のリスクとなる。

 

 

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