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水平私考SUIHEISHIKOU

正志の『水平私考』8月

銃による悲劇。日本で暮らしていれば何処か遠い国で起きている事件のように映るが、7月8日、奈良市内で安倍元首相が参議院選挙の応援演説中、凶弾に倒れた。凶器は手製の改造銃(散弾銃)。現行犯逮捕された山上徹也(41才)容疑者が犯行に至った経緯に注目が集まっている。犯行に使用した散弾銃はネット上で作り方が紹介されているという。物騒な世の中である。人間の関係に何があろうとも人を殺める理由にはならない▼人生において、今までは順調だったものが何かをきっかけに、時には坂道を転がるように人生の歯車が狂いだす。転んでも転んでも起き上がる四字熟語に七転八起あり。成功の陰にあるのは努力と失敗など、壁にぶち当たっても這い上がろうとする姿勢に人間的成長がある。這い上がる力にすがりたい尊い人生。人生の終止符に早まらない社会であって欲しい▼戦争、コロナ禍、生活苦、いじめ、差別、病、意味のない競争、思い描いた未来への不安、現代社会の孤立など、生きていれば悩みは尽きないが、抱えきれない悩みに苦しめられる。コロナ禍で耳にする機会が増えたWHO(世界保健機関)の報告書では、世界の主要な死因の1つが「自殺」(年間約80万人)。そのうち若者の自殺が約3分の1。日本は時代と共に食べ物は豊富、日常生活の便利となり昔の不自由さは解消されている▼世界でも若者の自殺者は多いが、若者の死因が1位となっているのは先進7か国で日本のみ。昨年の自殺者は2万人余。また、「世界幸福度ランキング」なる調査もある。調査方法は、一人当たりの国内総生産(GDP)、社会的支援、健康寿命、社会的自由、寛容さ、汚職の無さ・頻度、(人生評価/主観満足度)+ 残余値。この7項目を数値化、分析し順位を決めている。2022年日本は54位と先進諸国の中では毎年、最低順位▼GDPや健康寿命、社会的自由から考えるともっと上位でなければならない。権力、武力、暴力、尽力、協力など、お金を含めて人間が生み出す力にはいろんな力がある。不正義に使われる力はダメだ!正義に使われる力によって幸福度が昴まる。

 

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