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水平私考SUIHEISHIKOU

正志の『水平私考』9月

江戸時代、東京湾を震源地とした『安政江戸地震』。その後の瓦版には怖いものを意味する例えに『地震・雷・火事・親父』が使われ始めた。そこには『核や戦争やミサイル、ウイルスに特殊詐欺、線状降水帯に熱中症』を意味する文字はない。近年は怖いものが増え、気象さえも想定を上回る被害が相次ぐ。1923年(大正12年9月1日)、天災の中で最大規模の災害(死者10万人以上)、関東大震災が起きて今日で99年目。

▼過去100年を振り返ると、国内で100人以上の犠牲者を出した大地震は16回。そのうち1,000人以上は10回。大地震とはМJマグニチュード(地震の規模)7以上を指す。日本近海でМJ7を超えは130回。国内を震源地に平均で毎年1,3回の割合で発生。今年3月、福島県沖でМJ7.4の地震が起き、宮城県と福島県で震度6強、死者3人。ただ、МJ7を超えてなくとも列島近くで浅い震源地なら被害は拡大。

▼2018年9月、北海道胆振地方中東部で発生した地震の規模はМJ6.7。ところが断層に沿う直下型により震度7の強い揺れとなった。北海道で震度7を記録したのは観測史上初。観測を始めてから、震度7を記録したのは1995年の阪神淡路。2004年の新潟中越。2011年の東日本大震災。2016年の熊本地震の余震と本震。全て記憶に新しいところだ。「天災は忘れた頃にやってくる」は現代にそぐわなくなった。

▼今日は1960年「地震・台風・豪雨などの天災に備える対処と心構えを深めるため」に制定された防災の日。防災週間、防災月間でもある。2004年、初めて瓦版(新聞)に文字として書かれた記録的短時間大雨警報も今では頻繁に見聞きするようになった。9月は台風シーズンのピーク。この時期になると紀伊半島大水害(2011年/台風12号)を思い起こす。「天災は忘れぬ先からやってくる」時代。天災も人災も、人間が留める苦い記憶は後世へと引き継ぎ、佳き未来へ救われる命として活かさねば・・・。

 

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