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水平私考SUIHEISHIKOU

正志の『水平思考』2019年12月号

■正志の『水平私考』

師走になると、各々(おのおの)わが身や世相について、一年を振り返る。年々、歳を重ねるたび過行く時間が早い。そう感じる高齢の私もそのひとり。経験の数だけ覚えていることも多いが、忘れることも増えてくる。今年も新たに、悲しい記憶が脳裏に刻まれた▼この時期ニュースのひとつに上がるのが、その年の世相を表す漢字一文字や流行語。ちなみに、昨年の漢字一文字は北海道胆振東部地震や西日本豪雨から「災」。流行語大賞は、冬季五輪で女子カーリングの選手達が試合中、作戦で交わす会話の相づち「そだね~」が選ばれた。辛い出来事と明るい話題に分かれたが、今年はどうか?何故か昨年と似ている▼今年は暴風雨に加え火の恐怖。東日本を襲った台風15号19号は激甚災害指定。利便な電気から大火災(首里城)。許せない放火(京都アニメーション)。操作を誤れば車も恐ろしい凶器(池袋暴走事故)。天災、人災、災難、今年も「災」の文字が浮かぶ。世代は、平成から新元号「令」に移り、W杯ラグビーの「ワンチーム」など、「」も感じる▼先日、2年に1回英国で開かれる防衛装備品見本市(日英両政府支援)が国内で初開催。防衛(安全保障)の名のもと戦車を展示、戦争放棄の国での開催に違和感。喉元過ぎればウソが公然。「防衛・抑止」行き着く先は「対」というが、軍需産業は世界右肩上がり。兵器購入は各国「イタチごっこ」、日本も渦の中。米国からの兵器押し付けはエスカレート▼超弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア2基(総額6千億超)」、ステルス戦闘機F35(1機115億超)既に42機を購入。更に105機を追加注文、147機の維持費総額は4兆5千億円超と試算。民意に背く沖縄基地問題など平和の願求は何処へ。戦争恐怖の世紀は今も続く。時間はむしろ逆戻り。来日されたローマ教皇の祈りを捧げたメッセージ(人間愛)に我々も真剣に学ぶべきです。

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